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野菜なんでも百科
スイカ
種 |
発芽 |
花 |
なり姿 |
スイカの家系図(出身地)
多くのスイカ野生種が存在するアフリカ南部・カラハリ砂漠周辺が原産といわれ、そのある野生種が、長い年月を経て栽培種へ改良されたと推定されています。
スイカが日本に上陸したのは?
12世紀に鳥羽僧正が描いたとされる国宝「鳥獣戯画」に、縞模様のスイカらしき果物が見られますが、スイカと断定されていません。伝来の記録としては16世紀にポルトガル人によって伝えられたことが残っています。それ以降、江戸時代の多くの書物に登場することから、16世紀伝播説が定説となっています。
世界のスイカの品種分化
シュガーベビー | 果皮色は黒光りする濃緑で果形は球形、果肉色は赤色です。草勢は中位で着果性が安定し、栽培も容易です。伝助スイカはこの品種群に含まれますが、多くの形質が入っていると推定されています。 |
チャールストングレイ | 果皮色は無地緑色、果形は枕形です。果肉色は桃紅色で、肉質は柔肉で多汁質です。草勢が強く大玉ですが、着果は不安定です。乾燥地に適します。 |
クリムソンスィート | 太くぼやけた縞をもち、球形です。果肉色は桃紅色で、肉質は柔肉で多汁質です。草勢強く大玉ですが着果は不安定です。乾燥地やヨーロッパで多く栽培されています。 |
ドラゴン (東洋タイプともいわれます) |
日本縞をもち、球形と枕形があります。果肉色は赤で、肉質はかたく、日もち性にすぐれるため、熱帯地方の特に東南アジアで多く栽培されています。 |
3倍体 | いわゆる種なしスイカのことですが、数粒種子が入ることがあるので、世界的にこのように呼ばれています。糖度が高く食べやすいですが、草勢が強く栽培管理がしにくい面があります。 欧米では市民権を得て高値で販売され、国内でも近年発売されています。 |
スイカの特性
ウリ科スイカ属は5種に分けられていますが、栽培種はCitrullus.lanatus(2n=22)1種だけです。
原産がアフリカなので高温乾燥には強いですが、低温には弱く、日照量も多く要求します。
雌雄同種の1年生草本で、茎は長く伸び、つる性で巻きひげをもっています。
花は雌雄異花で、まれに両性花が見られます。雌花は品種にもよりますが、つるの5〜6節おきに着性し、それ以外の節には雄花をもちます。着果は単為結果せず花粉が必要です。
果実は日本の品種は球形で縞模様が主流ですが、世界の品種には枕形も多くあり、果皮も黒皮、緑皮、黄皮が存在し、果肉色は赤、紅、黄色、白を呈するものまであります。
スイカ果実の機能性は、近年の健康志向から改めて注目されています。利尿効果があり、新陳代謝を促進し、腎臓病や高血圧、むくみ防止に効果的で夏バテ防止に役立つほか、抗ガン作用に効果があるといわれる赤色色素リコピンを多く含みます。
スイカの住みやすい環境
発芽適温
25〜30℃。実用的な最低発芽温度は15℃程度で、最高発芽温度は40℃です。
生育適温
25℃前後。ウリ類の中でも高温性の作物です。高温には強く、品種、土壌条件にもよりますが、最高気温は40℃でも十分耐えます。しかし低温には弱く、最低気温13℃を切ると極端に生育が劣り、果実は裂果する場合があります。
土壌適応性
元来乾燥に強く湿害には弱い性質です。したがって、降雨後の排水がしっかり図れるように圃場を準備します。
土壌酸度
酸性にもアルカリにも適応性が広く、pH5〜7の範囲では生育差がないとされていますが、接ぎ木した場合、台木の根によって適応性は変わります。カンピョウ、カボチャ台木ではスイカに比べて酸性には敏感になるので、pH5.5〜7が好適でしょう。
スイカの接ぎ木と台木
日本のスイカ産地では、以下の理由のため、ほとんどが接ぎ木で栽培されています。
・土壌病害を回避する。
・値段の高い早出し栽培をねらい、低温伸長性をつける。
・草勢を強くして収量を上げる。
台木の主流はカンピョウです。カンピョウはスイカより低温伸長性にすぐれ、スイカ果実への影響も少なく、安定した肉質に仕上がります。そのほかの台木ではより草勢が強く、低温性にもすぐれるものの、スイカ果実の品質が低下することのあるカボチャ、低温性はカンピョウにやや劣りますがつるもち性のよいトウガン、低温性は劣りますが肉質がよくなる共台(スイカ野生種)などがあり、環境条件や接ぎ木目的によって使い分けられます。