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野菜なんでも百科

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トマト

種
  発芽
発芽
  花
  なり姿
なり姿

トマトの家系図(出身地)

  ナス科の草本植物で、原産地はアメリカの西部高原地帯で現在のペルー・エクアドル圏です。16世紀にイタリアに伝わり、17世紀までに南欧中心に栽培が普及しました。


トマトが日本に上陸したのは?

  18世紀初期に渡来しましたが、当時は観賞用としてで、生食用として生産が増え始めたのは昭和10年以降です。


トマトの特性

  トマトは播種後、本葉が2〜3枚展開すると主茎の生長点が花芽となり、そこから葉が3枚分化すると再びその頂点に花芽を生じます。栄養生長から生殖生長への過程が周期的に繰り返されます。果実は開花後40〜60日で収穫可能となりますが、低温期は80日以上を必要とします。根の深さは1m以内で、幅は2.5〜3m以内に広がります。


トマトの住みやすい環境

発芽適温
  発芽は10〜35℃の範囲内で行われますが、最適温度は20〜30℃です。
生育適温
  5〜40℃の範囲で行われますが、最適温度は昼気温25〜30℃、夜気温10〜15℃で、果菜類の中では低温性に強い種類です。果実の発育期には10℃程度の昼夜の温度較差が必要です。
照度
  トマトは光に対し敏感な作物で、照度が強いと葉数・葉面積の増加が大きく葉肉は厚く、茎葉量/草丈比の大きな強剛で充実した生育を示します。


トマトの花芽分化と発育

  地上部の温度は第1花房着果節位に影響し、高温下で分化期は促進されますが、着果節位は上昇し、低温下では低くなります。また地下部の温度は着花数に影響し、低地温では着花数は増加します。第1花房の分化時期は、子葉展開後2週間(本葉2〜3枚のころ)で、この期間の夜低温で着花節位は低下します。またチッソとリン酸の濃度が高いほど花芽分化期が早まり、その着花節位も下がります。乱形果の子室数は正常果に比べて多く、主に花芽分化・発育期における低温や多肥・多湿などによる草勢の旺盛なトマトに多く発生します。


トマトの開花・結実・開花発

  トマトは第1果房の果実が肥大期に入ったころ、第4花房の花芽が発育を開始しています。第2花房が開花するころには第5花房の花芽が発育を開始しています。


夏秋雨よけトマトの栽培管理(栽培初期)
(1)3〜4段開花までの栽培管理

●3〜4段花房の開花時期までは栄養生長期で、草勢がつきやすくなります。
(1) 潅水
・定植後、活着までの水は手潅水で行います。
・活着後は、成長点がしおれない限りは、潅水を行いません。上水はできる限り少なくし、深層に根を張らせるようにします。
・成長点が傾くほどにしおれるようならしおれをとる程度の手潅水を行います(0.3〜0.5L/1株)。
(2) ホルモン処理
・トマトトーン100倍で、3花開花した花房を処理し、確実に着果させます。
・日をあけて重複処理をすると、空洞果の発生を助長するので注意します。

(ホルモン処理適期の花房)
 
(摘果の適期)
(3) 芽かき
・適切な栄養生長をしていれば、わき芽は小さいうちに除去するのが基本です。
もしも忙しくて、芽かき作業が遅れている場合は、先に1段花房直下の大きな側枝を除去します。その後、ほかのわき芽をとるようにします。
・草勢が強い場合は、1段花房直下の側枝1本を残して、養水分を2本に分散して逃げ場をつくり、草勢が落ち着いてから主枝1本にします。
・定植後に活着不良を起こしている場合は、すべての側枝除去を遅らして、根の発生を促します。
(4) 摘果
・適切な生育を示している場合は、果実が500円玉〜ゴルフボール大の時に3果にし、1〜2段は3果/果房、それ以降は4果/果房が基本です。
・強勢の場合は、ゴルフボール〜卵大になるまで待ってから、3果にします。強勢であるからといって、4〜5果着果させていると中段以降の樹ができません。
・弱勢の場合は、やや早目の500円玉大の時に行います。よほど弱い場合は1〜2果にして草勢の回復を図ります。
(5) 葉面散布
・草勢管理の微調整は葉面散布剤で行います。
・強勢の場合は、チッソ成分の含まれていない剤(ヨーゲンハイパワー)で1〜2度散布します。
・弱勢の場合は、チッソ成分入りの剤(ヨーゲン強力2号、ヨーゲンリッチ)で1〜2度散布します。よほど弱い場合は、動噴で薄めの液肥(400〜500倍程度)を株ごとに施します。

夏秋雨よけトマトの栽培管理(栽培初期)
(2)3〜4段開花期の栄養生長から生殖生長に切り替わる時の追肥

●草勢の切り替わり時期の判断が重要になります。
(1) 追肥開始時期の見極め
・天気のよい朝9〜10時ごろの成長点(先端から20cmほど)の状態で判断します。
・成長点付近の本葉が内側に巻き込まなくなり、主茎が細くなりかけている状態が、その切り替わり時期です。
・その時期が分からない場合は、やや多目の潅水を施し(試し水)、2日後に草勢が強くなってこなければ、急いで追肥を始める必要があります。
(2) 追肥の量
・液肥の場合、チッソ成分量で1kg/10a、潅水量は1L/1株程度です。
・固形肥料の場合、チッソ成分量で2〜3kg/10aです。
(3) 茎の太さ
・この時期で、茎の直径が約1.5cm(人差し指程度)が適当です。
・下から上まで同じ茎の太さが理想でしょう。
【初期順調に生育している状態】
(2段開花時期)
  (3段開花時期)

トマトの生理障害

原  因 対  策
チャック果、
窓あき果
(低段果房)
育苗床土のEC高い
低温育苗、育苗中のしおれ
床土のEC0.6〜0.7
育苗初期最低12℃後期8℃確保
極端にしおれさせない
(中〜上段果房)
活着不良、過繁茂
本圃での低温、老化苗定植
本圃最低8℃確保、
急にチッソ効かさない
すじ腐れ果 過繁茂、チッソの効きすぎ、光線不足 元肥のチッソ減らす
潅水は1度に多くやらず回数で対応
疎植にする、ハウスビニール交換
空洞果 高濃度ホルモン処理、草勢低下
光線不足、過繁茂、ハウス蒸し込み
ホルモン剤の濃度下げる
疎植、摘葉、日中換気、後半の草勢維持
尻腐れ果 石灰欠、乾燥による根傷み、チッソ過多
土壌水分不足
適切な水分管理、敷きわら、
適切な肥培管理、カルシウム入り葉面散布剤の葉面散布
裂果 高温乾燥による硬化
水分過剰吸収、温度の急低下(低温)
遮光、こまめな潅水、
雨水の流入防止、サイドビニールでの保温
上段果房の葉で日よけ

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関連情報

  • 品種カタログ
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  • 栽培マニュアル
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