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ホウレンソウ

種
  発芽
発芽
  花
  なり姿
なり姿

ホウレンソウの家系図(出身地)

  ホウレンソウの原産地はアフガニスタン周辺の中央アジア地域といわれています。
  ヨーロッパへは11世紀ごろ、アラビア、アフリカを経てスペインに伝わり、ヨーロッパに広がりました。
  アメリカへは19世紀後半から20世紀初頭にかけてヨーロッパから移入され、改良されました。
  中国へはイランから唐の時代(647年ごろ)に伝わり、中国東北部で多くの品種が発達しています。


ホウレンソウが日本に上陸したのは?

  16世紀に中国から伝わりました。これが日本在来種となり、洋種ホウレンソウは18世紀にフランスから伝来しました。明治以後、欧米諸国から多くの品種が導入され、大衆化が進み、数多くの品種も育成され、近年では主要野菜の一つになっています。


ホウレンソウの親戚

  ヒユ科に属する雌雄異株の1〜2年生植物です。学名はSpinacia oleracea L.2n=12。


ホウレンソウの品種分化


わが国のホウレンソウ

  代表品種 類似品種


角種・在来 禹城
日本
次郎丸
東湖、ぬくしな
若草、新日本
交雑種 永池早生
ウィンターベスト
巨豊、ニューアジア
スプリング・ベスト
西

角種・滑葉 ミンスターランド
ホーランディア
豊葉、インプルーブド・ホーランディア
ブルックリー・ウィンター、スタンド・ウェル
丸種・滑葉 ビロフレイ
ノーベル
キング・オブ・デンマーク
札幌大葉
ウィンター・ジャイアント、マーキュリー
バイキング、ダーキュイ
丸種・縮葉 ロング・スタンディング
バージニア・サボイ
ブルームスデル・サボイ
プレスト・ハーレム、オールド・ドミニオン

ホウレンソウの種子

  ホウレンソウの種と思われているものは、実は果実で本当の種子は硬いカラ(果皮)に包まれたその中にあります。このカラが種子を保護するとともに、休眠をしたり、硬実種子となって発芽を抑制したりします。一般にはカラに包まれた種子をまきますが、カラの形がトゲの出た角種とトゲのない丸種とがあります。丸種の20ml当たりの種子粒数はサイズにもよりますが600〜900粒、角種は500〜700粒です。


ホウレンソウの住みやすい環境

  冷涼な気候が最適です。
発芽適温
  15〜20℃とされ、発芽は4℃までは可能です。25℃以上では発芽が抑制され、35℃以上になると発芽できなくなります。
生育適温
  15〜20℃で、低温に強く−10〜−15℃にも耐えますが、耐暑性は極めて弱くなります。25℃以上では生育が抑制され、病害(立枯病、根腐病)が多発します。


ホウレンソウを良作するには根を作れ!

  ホウレンソウの根は旺盛で、根系は広く、深く発達します。最適土壌は有機質に富み、耕土が深く、団粒構造で肥よくな排水良好土壌です。土壌適応性は広いが酸性土壌には特に弱い作物で、pH5.5以下では生育が劣ります。


ホウレンソウの西洋種と東洋種の違い

  西洋種は特に晩抽性で春〜夏まき用に使用します。一般に丸種で葉は卵形または長卵形で葉肉厚く欠刻(葉の切れ込み)が少ない。
  東洋種は抽苔が早く、一般に角種。葉は長三角形で葉は葉肉薄く欠刻があり、根部の赤色は濃くなります。
  和食のおひたしには東洋種の方が歯ざわりよく、食感がすぐれています。
  近年はF1(一代交配種)種が主体で、西洋種と東洋種のすぐれた点を併せもつ品種が出回っています。


ホウレンソウのトウ立ち(抽苔)はなぜ起きるか?

  長日条件によりますが、幼苗期の低温でも促進されます。積算日長は450〜500時間といわれています。播種後長日期には15日以内、短日期には30日以内で花芽が形成されます。分化は日照時間の長短の影響を受けることは少ないのですが、分化後の花芽の発育(抽苔、開花)には長日の影響が顕著です。なお不良条件での栽培は抽苔を招きやすいので注意します。


ホウレンソウには雄株と雌株があり、さらに間性株がある

  雌雄株は人と同じようにほぼ1:1に現れるのが普通ですが、中には両性花を交える株もあります。
  純雌株、純雄性株のほか、偏雌間性株、偏雄間性株、栄養性雄株、次雄性株、(西、平岡による)など中間的な性質を示す株もあります。この偏雌間性株を母親として利用し、F1(一代雑種)の採種をしています。


ホウレンソウの休眠

  ホウレンソウの種子には休眠があります。採種直後は発芽しにくく、約3カ月ほどの休眠がありますが、休眠を早く破るには、乾燥種子を盛夏の直射日光に2日間当てるだけで有効です。5日間処理で実用的な発芽率に達します。なお高温期の播種では休眠を引き起こして発芽不良となりがちです。


関連情報

  • 品種カタログ
  • 病害虫・生理障害情報
  • 栽培マニュアル
  • 料理レシピ
  • 資材一覧