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野菜なんでも百科
ナバナ
種 |
発芽 |
花 |
なり姿 |
ナバナの来歴
ナバナはツケナ(コマツナやチンゲンサイなど)の一種で、B. campestris L.に属し、相互に交配が可能で、生態的には似たような特徴を示します。ツケナの中では、在来ナタネの寒咲花菜に分類されます。
江戸時代までは種子からナタネ油をとるためだけに栽培されていました。独特のほろ苦さと香りをもつ緑の花蕾を食用として利用されるようになったのは、明治時代に入ってからです。
秋まきして年内から早春にかけて収穫でき、季節感の感じられる野菜です。
また栄養価が高く、ビタミンA(カロテン)、ビタミンCやカルシウムなどを多く含む緑黄色野菜で、漬物やおひたし、あえものなどに利用できます。
ナバナの住みやすい環境
冷涼な気候を好みます。
発芽温度
15〜25℃の範囲で、適温下では2〜3日程度で発芽します。
生育適温
20℃前後です。
花芽分化
ハクサイ・コマツナなどと同じように、ある一定期間低温にあたると花芽分化する種子感応型ですが、低温感応の要求度はハクサイ・コマツナに比べて低くなっています。
花蕾の発育適温
12〜16℃くらいです。
土壌条件
適地は有機質に富む粘質土壌か沖積層の壌土地帯ですが、広い土壌適応性を示します。
ナバナの播種と間引き
タネまきの時期は、中間地では9月中下旬です。冬に入るまでにできるだけ生長させておくことが、太くやわらかい良質の花蕾を収穫するポイントです。しかし、早まきするとウイルス病や軟腐病などの病害にかかったり、年内に伸びすぎて寒害を受けやすくなります。また、遅まきでは株の生育が悪く、小株のうちに花が咲き収量が落ちてしまいます。
栽培方法には直まきと移植栽培があります。直まきの方が根の張りがよく、生育も早いため栽培しやすいのですが、幼苗期に虫害や乾燥による生育のムラができやすい欠点があります。
・直まき
畝幅1mの畝に2条で、条まきあるいは条間30cm、株間30cmの点播(1カ所3粒)とします。10a当たりの播種量は2dl程度が目安です。タネが隠れる程度に軽く覆土し、その上を手で軽く押さえ鎮圧し、潅水を十分に行います。発芽したら、本葉2〜5枚展開時までに2〜3回に分けて間引きを行い、株間が30cmくらいになるようにします。この際、病害虫に侵されていない、正常な1株を残します。
・移植栽培
128穴のセルトレイを利用し、本葉4枚、育苗日数20日程度の苗を、直まき栽培と同じ条間・株間30cmで定植します。苗が活着するまでは十分に潅水し乾燥に注意します。
ナバナの肥料(元肥と追肥)
排水の悪い場所では高畝にし、排水を十分に行い雨水が停滞しないように注意します。
播種の20日くらい前に10a当たり堆肥2tと苦土石灰100kgを全面に施用し、深耕砕土します。その後10日くらいで化成肥料を用い元肥を入れますが、施肥量は10a当たりの成分量でチッソ、リン酸、カリともに15kg程度になるように施します。
1回目の追肥は本葉が7〜8枚目のころに、化成肥料をチッソ成分で10a当たり3kgくらい追肥し、軽く土寄せします。
その後の追肥は、収穫期が長いので肥料切れしないように適宜施します。株のできや収穫回数に応じて追肥を行いますが、花茎が伸び始めたときに1回、また収穫期に入れば、月1回の割合で、チッソとカリを10a当たりの成分量で2〜3kgくらい施します。
ナバナの収穫
主茎が30cmくらいに伸びた時に頂芽を摘みとります。その後は、花蕾がふくらみ12〜15cmに伸びた花茎を開花前のやわらかい時に収穫します。春先は花茎の伸長が早いので収穫のピークとなります。