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野菜なんでも百科
エンドウ
![]() 種 |
![]() 発芽 |
![]() 花 |
![]() なり姿 |
エンドウの家系図(出身地)
一次原産地は中東のメソポタミア辺りとされ、紀元前7000年ごろにはすでに栽培が始まっていたことが確認されています。これらの地域から東西へ伝播し、中国西域と地中海沿岸地域が二次原産地となり、さらに中国、日本方面とヨーロッパ北部方面へと伝播していきました。
ヨーロッパでは紀元前3000年ごろの栽培のこん跡が見つかっており、非常に古い栽培作物の一つです。
近代的品種の成立は16世紀ごろで、さまざまなタイプの品種が栽培されていたようです。
アジアへはインドを経由して、中国へ3世紀ごろ伝播し、その後日本へと伝播しました。
エンドウが日本に上陸したのは?
わが国に渡来した時期は明らかではありません。11世紀ごろに「のらまめ」という名で、初めて記載がなされています。
明治以降、欧米より多数導入された品種のうちのいくつかが定着し、わが国の品種の主体となりました。また、太平洋戦争後にも多数の品種が導入され、わが国の気候条件に適応した品種の育成に利用されています。
エンドウの種類
エンドウは利用方法の違いや、莢の形状によって、次のように分類されます。
利用法 | 莢の形状 | 代表品種 |
莢エンドウ品種 | 大莢種 絹莢種 スナップ種 |
仏国大莢、オランダ、ニムラ大莢オランダ、駒三十日、美笹、ニムラ赤花きぬさや2号、ルメ、スナック、ホルンスナック |
実エンドウ品種 | 糖質型 中間型 でんぷん質型 |
南海緑、久留米豊、ウスイ、白竜、滋賀改良白花1号 |
エンドウの住みやすい環境
エンドウは冷涼な気候を好む作物で、耐寒性は強く、幼植物は0℃以下でも耐えることができます。
発芽適温
18〜20℃です。
生育適温
12〜20℃で、莢の肥大には14〜18℃が必要です。5℃以下では花数が少なくなります。耐暑性は弱く、気温が高くなるにつれて不良莢、落花、落莢が増加し、28℃以上では生育が衰えます。
土壌適応性
エンドウの土壌適応性はかなり広いですが、排水のよい耕土の深い壌土、あるいは粘土質土壌が適します。
土壌酸度
酸性土壌に対しては特に弱い作物です。土壌pHは6.0前後になるように、石灰を10a当たり80〜100Kgを基準に施します。
豆類の連作障害
豆類を同一の畑で連作すると次第に生育が不良となり、ついにはほとんど生育しなくなります。この現象は、いや地と呼ばれ、3〜5年の間隔で輪作を行う必要があります。特にエンドウは豆類の中で連作障害が最も激しく起こる作物で、やむを得ず連作を行う場合は、土壌消毒を入念に行う必要があります。
エンドウの生育
エンドウは、播種から5〜6日後には発芽が始まります。発芽は根の伸長から始まり、次いで芽が地上部に現れます。子葉は地下に残り、地上には出てきません。
一般に越冬栽培での発芽後の生育は、低温期のため緩慢になります。播種から1番花開花までの日数は140〜150日かかりますが、春先の気温上昇とともに生育スピードは早まり、主枝の伸長とともに盛んに開花、着莢を繰り返すようになります。
収穫の目安は、サヤエンドウでは開花から約2週間で、子実が目立つ前に収穫します。実エンドウは、開花から収穫まではやや長く、約4週間かかります。
さらに気温が上昇する初夏に差しかかると、エンドウは生育が衰え、株元から茎葉の枯れ上がりが起こって栽培は終了します。
エンドウの作型
(近畿)
作型 | 播種時期 | 収穫期 |
秋まき | 10月上旬〜11月上旬 | 4月中旬〜6月中旬 |
夏まき | 7月下旬〜8月上旬 | 9月下旬〜11月下旬 |
※夏まきの場合、低温処理が必要な品種があります。
根粒菌との関係
エンドウはマメ科の植物です。マメ科植物の根には根粒菌が共生し、チッソ成分は根粒菌による固定チッソが供給されます。そのため、砂地ややせ地以外の畑では、チッソ肥料はあまり必要ありません。かえってチッソ肥料が多すぎるとつるぼけになるので注意が必要です。