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カリフラワー

種
  発芽
発芽
  花
  なり姿
なり姿

カリフラワーの家系図(出身地)

  もとは結球しない雑草です。
  原産地は地中海東部で、数千年前すでに栽培されていたケールに起源があります。ギリシャ人はおそらく紀元前600年より以前にケールを栽培しており、その後のローマ人はケール以外に結球するキャベツやコールラビ状の野菜を食べていたようです。以後、ケール型植物を出発点として多彩な分化をしました。


カリフラワーが日本に上陸したのは?

  カリフラワーがわが国に導入されたのは明治以降ですが、その当初は普及することなく、房州(千葉)や遠州(静岡)の暖地でわずかに栽培されていた程度です。第二次世界大戦後になって食生活の洋風化や品種の改良が進んだことから、広く栽培されるようになりました。さらに1965年ごろから、飛躍的に需要が増加し、セルリー、アスパラガスとともに「洋菜の三白」といわれ、日本でのポピュラーな野菜の一つになりました。
  しかし、1980年以降、緑黄色野菜への認識が高まるとともに、栄養価のより高いブロッコリーが主流となりました。


カリフラワーの親戚

  アブラナ科の一年生または二年生植物で、近い親戚には花蕾を利用するブロッコリーのほか、花茎を利用するカイラン、結球性のキャベツ、不結球のケール、茎がカブのように肥大したものを利用するコールラビ(蕪甘藍)、葉腋のわき芽が2cm余りの小球となる子持ちキャベツ(芽キャベツ)、美しく色づくハボタンなどがあります。


カリフラワーとブロッコリーの違い

  カリフラワーは、ブロッコリーの突然変異で花蕾が白化(白子:アルビノ化)したものといわれており、上に示した親戚の中でも極近縁の兄弟姉妹のような関係です。よって、カリフラワーもブロッコリーも茎頂に花蕾が形成され、この部分を食用にする点では共通です。
  ただ、それらの花蕾を構成する花芽の発育段階がそれぞれで違います。カリフラワーは、花芽発育過程の極初期(“花芽原基”の状態)で発育が止まり、その花芽原基の数が増え、その集合体が花蕾となっています。ブロッコリーの場合は、花芽原基の状態で発育が停止せず、そのまま生長し、開花する直前の“蕾”の集合体を花蕾として収穫しています。


カリフラワーの住みやすい環境

  雨の少ない温暖な気候を好み(平均気温15〜20℃)、排水のよい肥よくな土地での栽培が最も適します。
発芽適温
  15〜30℃前後です。
生育適温
  20℃前後です。
花芽分化
  低温で起こりますが、低温感温の温度と苗の大きさは品種によって異なります。
花蕾の発育適温
  15〜18℃です。


カリフラワーの花芽分化と花蕾の発育

  緑色植物春化型(グリ−ンプラントバ−ナリゼ−ション)
  栄養生長(茎葉の発育)を十分経過して、一定の大きさに達した苗がある期間連続して低温にあうと花芽分化し、生殖生長に移行します。その後花蕾を形成、肥大します。
  この低温感応する苗の大きさと温度は品種によって異なり、低温遭遇期間も品種間差があります。一般に晩生種になるにつれ、大きな株(栄養生長)で、より低い温度に長くさらされることが必要となります。大体の目安を下記表に示します。

『農耕と園芸』ブロッコリー、カリフラワーの生理と栽培技術

早晩生 花芽分化温度(℃以下) 展開葉数(枚) 茎の太さ(mm) 低温遭遇期間
早生種 17〜20 6〜7 5〜6 2週間以上
中生種 13〜17 11〜12 7〜8
晩生種 10 15 10

  良質な花蕾が形成されるには、低温が継続して与えられる必要があります。加藤氏(1964年)は、その必要期間は早生種で5〜10日間、中生種で15〜20日間ぐらいと報告しており、さらに良好な花蕾形成には、引き続いて10〜15日間の低温期間がないと、異常花蕾になる危険性を指摘しています。


カリフラワーはどのような土を好む?

  壌土または砂壌土で、耕土の深い圃場が望ましく、土壌酸度はpH5.5〜6.6が適します。
  カリフラワーは根こぶ病、根くち病などに弱く、過湿による生育不良も起こしやすいため、本圃は水はけのよい、土壌病害のないところを選びます。定植2週間前に、完熟堆肥と苦土石灰を全面施用して耕起し、7〜10日前には元肥を施用し整地します。排水のことも考え、なるべく高畝にすることが大切です。


関連情報

  • 品種カタログ
  • 病害虫・生理障害情報
  • 栽培マニュアル
  • 料理レシピ
  • 資材一覧