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レタス

種
  発芽
発芽
  花
  なり姿
なり姿

レタスの家系図(出身地)

  レタスの原産地は中近東内陸小アジア地方といわれ、ローマ時代には主要野菜として栽培(不結球)され、中世以降欧州に伝わり、フランス・オランダで改良、その後アメリカで近代育種が行われました。


レタスが日本に上陸したのは?

  中国へ7世紀以降カキチシャが伝わり、さらにわが国にも渡来して土着しましたが、玉レタスは1863年アメリカから初めて渡来してきました。


レタスの品種分化

  キク科の1〜2年生作物。一般に形態および利用上から大別し、玉チシャ((1)クリスプヘッド型、(2)バタ−ヘッド型) (3)立ちチシャ (4)チリメンチシャ  (5)カキチシャ (6)チシャトウの5種類に分類されます。

結球型 分 類 特性・別名・品種等
結球チシャ クリスプヘッド型 玉は大型で完全結球。結球かたく葉肉厚い。
歯切れよく、甘味あり。水分に富む。輸送性高い。アメリカに多い。
バターヘッド型 葉肉薄く柔軟・美味。葉面平滑で結球やわらかく、頂部の包合不完全。サラダナ。
葉色淡緑、ヨーロッパ・南米に多い。輸送性なし。都市近郊の栽培。
半結球チシャ 立チシャ(Cos) 葉は長卵形(サジ状)、中肋大きく葉数多い。タケノコ形半結球。北部アフリカ、南欧、アメリカのニューヨーク州。
不結球チシャ チリメンチシャ 非結球で叢生状。グリーンリーフ・レッドリーフはこれに入る。葉数多く玉チシャの原種。
カキチシャ 緑色種と褐色種があり、下葉をかきながら利用。
チシャトウ
(茎チシャ)
Cos種の細葉系で茎を食べる。食用茎は直径4cm、長さ30cm。
別名アスパラガスレタス。中国料理。

わが国のレタスの栽培面積と収穫量

平成22年(2010年) 農林水産省統計

栽培面積 (ha) 収穫量 (t) 栽培面積 (ha) 収穫量 (t)
全国 20,900 537,900 福岡県 947 17,100
長野県 5,790 171,400 長崎県 796 26,000
茨城県 3,460 83,200 静岡県 791 20,700
兵庫県 1,290 35,200 北海道 586 13,700
群馬県 1,240 52,400 熊本県 523 12,500
香川県 1,040 22,100 千葉県 516 9,630

世界のレタスの収穫面積と生産量

2010年 FAO統計(Area harvested, Production)

収穫面積 (ha) 生産量 (t) 収穫面積 (ha) 生産量 (t)
世界 1,062,958 23,622,366 日本 20,100 537,800
中国 513,940 12,574,500 トルコ 17,900 358,096
インド 159,100 998,600 メキシコ 16,645 340,976
アメリカ 108,180 3,954,800 フランス 14,983 398,215
イタリア 42,854 843,344 ドイツ 14,393 308,341
スペイン 26,500 809,200 イラン 12,600 402,800

レタスの種子

  1,000粒重は0.8〜1.2g程度。1Lの重量は450g内外。白種子と黒種子があります。


レタスの住みやすい環境

  冷涼な気候が適します。
発芽適温
  15〜20℃とされ、30℃以上、または0〜4℃以下ではまったく発芽しません。25℃以上になると休眠状態になって発芽しません。
  高温時には種子を吸水させて、冷蔵庫内で催芽させた後、播種する方法があります。なお発芽に際しての光条件を好むので、覆土は乾燥しない程度に極薄くするか、場合によってはしない方がよいでしょう。コート種子は覆土の必要はありませんが、乾かさないようにすることが大切です。
生育適温
  15〜20℃で、耐暑性は弱く、30℃以上では生育が阻害され、10℃以下では葉数分化を停止します。根の生育適温は15℃前後です。


レタスの品種分類と特性(玉レタス)

タイプ 熟期 結球型 晩抽性











備 考
マックソイル 極早生 葉数 ×        
マック×サリナス 極早〜 中間    
エンパイア 早生 中間 極晩 ×       吸肥力旺盛、大玉に注意
カルマー 早生 中間 中早     強勢、吸肥力旺盛で低温肥大性あり
エンパイア×サリナス 早生 中間     低温肥大と玉ぞろいがよい
カルマー×サリナス 中早生 中間       低温肥大性すぐれ冬どりに向く
サリナス 中晩生 葉重 ×    
グレートレークス 中生 中間     環境適応性の幅が広い
サリナス×バンガード 晩生 葉重 ×       強勢、低温肥大性極強いので厳寒どりに最適
バンガード 晩生 葉重 ×      

レタスの作型


レタスの結球

  結球態勢に入るには、十分な外葉の肥大と一定の外葉数が必要です。結球開始期における外葉の枚数は12枚前後が必要で、葉が立ち上がり、幅広な葉形となって、葉面積が確保されることです。


レタスのトウ立ち(抽苔)はなぜ起きるか?

  高温によって花芽分化が誘起され、グレートレークスで花芽分化の有効積算温度(5℃以上)はおよそ1,700℃で、分化から抽苔までの日数は、気温が25℃くらいでは10日、20℃で20日、15℃ではおよそ30日かかりますが、15℃以下では抽苔までに玉の収穫ができ、実用上問題となりません。
  なお抽苔は長日条件でさらに助長されます。
  最近の品種改良により、従来抽苔の早かったサリナスタイプなどでも、晩抽性にすぐれる品種が育成されています。


レタスの結球異常

  レタスが結球異常を起こしやすい原因としては、特に葉の形状および生育量が短期間に変わりやすいことが挙げられます。異常球には球全体の生育異常によるものと球葉の一部に生育の異常が起こる場合とが認められます。

種 類 症  状 対  策
分球 球頭が複数に分かれて結球 干ばつ時の潅水
不結球 葉が伸び上がり玉にならない 干ばつ時の潅水
風船球 風船形に大玉、内部充実しない 肥料を控えます。白ポリマルチで地温下げる
腰高球 球形より伸び上がり縦長球
タケノコ球 内部葉がよじれながらタケノコ状 外葉展開期の潅水
チャボ玉 早く巻き肥大しないで小玉
タコ足 玉尻の結球葉の中肋が突出 肥料を控える

関連情報

  • 品種カタログ
  • 病害虫・生理障害情報
  • 栽培マニュアル
  • 料理レシピ
  • 資材一覧