インゲン
地ごしらえ
土地を選びませんが耕土が深く、肥沃で水はけのよいところを好みます。また、ほかのマメ類と比べ根粒菌のつく時期が遅く、量も少ないので、肥料は多めに施します。水分を安定させるため広畝を立てておきます。
タネまき
タネを水に浸してからまいてはいけません。急に水を吸わせると種皮が破れます。また、覆土が薄すぎると、転び苗や種皮をかぶって発芽してしまい、その後うまく育ちません。タネは充実した大粒のものを選んでまくと、初期生育がよく、収量も多くなります。
条間70〜80cm、株間25〜30cm程度とし、1カ所3〜4粒まきにします。2cm程度の覆土をしたのち、切りわらなどをかけて、土がかたまるのを防いでおきます。早どりしたい場合は、ポットにまいて保温し、本葉2〜3枚の苗を植え付けることもできます。
間引き
本葉が1枚出たころ、つるなし種は1カ所2株、つる性種は1株に間引き、畝面を軽く中耕して株元へ土寄せをしておきます。欠株ができたら間引きのときに根を傷めないように抜き取って、補植しておきます。
支柱立て、敷きわら
つる性種はつるが伸び出したら支柱を立てて誘引します。2m程度の間隔に支柱を立て、キュウリネットを張って、つるを誘引すると便利です。また、つるが互いに絡みあうことのないように、その後も2〜3回つる先を絡まないように誘引して、葉の込みすぎるところがないようにすると、良質の莢が収穫できます。
敷きわらは梅雨どきの泥の跳ね返りによる葉の汚れを防ぎ、梅雨明け後は畝の乾燥・地温の上昇を防ぐことができます。特につる性種は収穫期間が長いので、多めに敷きわらをします。
追肥、水やり
肥料が多すぎると茎葉が茂りすぎ、花落ちなどの原因になるので、追肥は生育状態を見ながら、矮性種(つるなし)では蕾が大きくなったら1回施します。つる性種は生育期間が長いので、花が咲き出してから生育が衰えないよう15日おきに化成肥料50g/m2を目安に2〜3回施します。
夏の乾燥が続くときは、朝夕地温の低いときに水やりをしておきます。
収穫
開花後12〜15日で、タネの部分が膨らむ前の若莢を収穫します。平莢種の「モロッコ」はタネの部分が少し膨らんだころに収穫しても食味は変わりません。
栽培のポイント
1.早まきはつるなし種で遅霜を避ける
春まきは生育期間が短く、収量が少ないので、できるだけ早まきにします。フジの花が咲くころを、タネまきの目安とします。早まきはトンネルなどで保温します。
2.酸性土と連作を嫌う
酸性土を嫌うので(pH=5が限界)、酸度調節は必ず行います。連作をすると根腐病などの発生が多くなり、生育も悪くなるので、3〜4年の間隔をもって輪作します。
3.追肥は蕾が見えてから
吸肥力が強く、初期生育が旺盛になりやすいので、追肥は蕾が見え始めてから施します。量は生育具合によって調整します。
4.開花始めからの水分が重要
開花始めから乾燥させると、落花したり、莢の生長が悪くなります。敷きわらや潅水をして、畝の水分安定に努めます。