スイカ
地ごしらえ
日当たりと水はけのよい場所を選びます。粗起こしのとき、1m2当たり2〜3kgの堆肥と、つる割病予防に100gの苦土石灰を一緒に施し、深く耕してpHの調整をしておきます。
元肥は化成肥料(N:P:K=8:8:8)などを1m2当たり150gを目安に、心肥と全層に分けて施します。幅2m程度の畝を立て、マルチングをして植え付けまでに地温の上昇を促し、植え付けた苗の活着を早めるようにします。
植え付け
苗数が少なくてよいときは、購入苗を利用するのが得策です。接ぎ木苗でガッチリと育ったものを選んでください。ポットへは前日に十分水やりをしておき、植え付け時の根鉢の崩れを防ぎます。
植え付け時期が早い場合、マルチングだけでなく、ホットキャップをかぶせて保温してやります。株間は下図のように主枝の間配り方によって決めます。根鉢の表面が見える程度の浅植えにしておきます。
整枝
子づるの間配り方は、図のように放射状に間配るのと、同一方向につるを流し、畝の端まで伸びたらUターンさせる方法があります。
大玉スイカの場合は、子づるから出る孫づるは着果節くらいまでは摘み取り、それ以降は放任しますが、小玉スイカの場合は、葉面積を確保する意味から、よほど茂りすぎない限り、孫づるは放任しておきます。
人工受粉
子づるには7〜8節ころから雌花が5〜6節おきにつきます。着果を確実にするため、雌花が咲いたら、午前10時ころまでにていねいに人工受粉をしておきます。
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スイカの雄花(上)と雌花(下)。
小玉スイカの雌花は小型なので、交配作業はていねいに。果実表面の毛を傷つけると着果しない場合もあるので注意。
摘果と玉直し
果実が野球のボール大になったころ、やや長めの形のよいものを残して、1枝1個に摘果します。放任栽培では特に摘果の必要はありません。ソフトボール大になったころ、果実を正座させて色つきをそろえます。
追肥、敷きわら
つるが伸び出したら、順次敷きわらを広げ、泥のはね返りや地温の上昇を抑えます。ポリのマルチングをしたときも、巻きひげがからむところがないので、風でつるが吹き回されないように、軽く敷きわらをします。
収穫
人工交配したとき、日付けを記入したラベルをつけておき、交配から1番果は40日ほど、2番果で30〜35日経過したものを収穫します。その他、果実のついている節の巻きひげが枯れてきたころ、果実のついている節の葉舌が黄変したころ、果実の花落ち部がくぼんで、押さえると弾力を感じるようになったころなどを目安に収穫します。
小玉スイカの立ち作り(支柱栽培)
(1)地ごしらえ
地這い作りのように広い畝はいりません。粗起こしのとき腐熟堆肥と苦土石灰を施して深く耕し、pHの調整をします。その後、元肥は心肥として畝の中心部に施し、幅1.2m程度の畝を立てます。
(2)植え付け
購入苗を植えるときは、畝の中央部に約50cmの間隔で1列に、根鉢を崩さずにていねいに浅植えして、十分に潅水して株を落ち着かせておきます。ウリバエが葉を食害するので、ホットキャップをかけるか、新聞紙などで行灯(あんどん)式に囲って飛来を防ぎます。
(3)支柱立て
2m程度の間隔に柱を立て、キュウリネットを展張してつるを誘引します。
(4)整枝、誘引
(5)追肥、敷きわら
(6)孫づるかき
育ち具合にもよりますが、葉が茂りすぎるようならば、孫づるは適当に摘み取って、日当たりと風通しを図ります。
(7)果実のつり下げ
果実が大きくなると、つるに負荷がかかるので、果実を網袋に入れてつり下げるか、果梗部にヒモをかけて支柱からつり下げるようにします。
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小玉スイカのネットつり
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小玉スイカは立ち作りやポット(あんどん作り)ができる。
スイカのように、つるがよく伸び、大きな果実のなるものは、ポット作りには不向きと考えられがちですが、「ニューこだま」スイカを使って、あんどん仕立てにつるを整理すれば、24〜30cmのポットで手軽に育てることができます。
50〜60cmの支柱を3〜4本容器内に立て、針金で互いを連絡させて行灯をつくるか、割り竹2本を逆U字型に差し込んで、交点をヒモで結んでおきます。高さ40cmもあれば十分です。
植え付けた苗は、親づる1本と子づる1本(予備枝とする)を残し、ほかはすべて摘み取り、つるを支柱の周りに誘引します。30cmのポットなら一回りさせると1mの長さのつるが整理できます。雌花が咲いたら、人工交配で確実に3果ほど着果させ、ピンポン玉くらいに太ったころ、形のよい果実を1〜2個選んで育てます。
肥料は500倍の液肥を7〜10日に1回くらい与えるか、化成肥料を用土10ℓ当たり元肥に20g、追肥に10gほどを2回与える程度にします。