トマト
地ごしらえ、植え付け
購入苗は、病虫害を受けていないガッチリしたものを選びます。第1花房が大きく育ったものを求めるのが理想的です。植え付け前に、支柱の根元に大きめの植え穴をあけ、液肥をタップリと施しておきます。もちろん、苗のポットにも水やりをしておきます。植え付け時に、根鉢を崩さないようにしましょう。
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1.ポットには十分水やりをしておき、根鉢の崩れを防ぐ。
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2.植え付けは、根鉢の表面が見える程度にする。
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3.植え付け後にはたっぷりと水やり。
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4.あらかじめ立てておいた支柱の際に植え付ける。
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5.支柱にきつく縛りつけないように、8の字に結束する。
整枝、摘芯
主枝は支柱の高さ(180cm程度)まで伸ばして摘芯します。通常は6〜7花房をつけます。最も先端の花房の上に2〜3枚の葉を残し、先端部の果実に直射日光が当たるのを防ぎます。
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花房の下のわき芽は強く伸びる。
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わき芽をかき取った跡。
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かき取り後の主枝の状態。
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わき芽かきを怠ると、枝が交錯して収拾がつかなくなる。
追肥
第1花房の1番果がピンポン玉くらいになったころ、1回目の追肥として1m2当たり化成肥料(N:P:K=8:8:8)70〜80gを株間に施し、覆土します。2回目の追肥は、畝の肩部に肥料溝をつけ、1回目と同程度の量を施しておきます。施肥が多すぎると茂りすぎ、茎に窓あきが発生したり、花房の先端から茎が出るなど異常が現れるので注意しましょう。
栄養診断
花房の先から枝が出てきたり(左)茎に窓あき(右)が発生したりしたら、肥料のやりすぎなので注意が必要です。
花房先端より発生した茎。
窓あき茎。
中耕、敷きわら、水やり
露地栽培では週に1回くらい降雨があれば、特に水やりの必要はありませんが、果実の肥大中は乾いたら水をやっておきます。収穫が始まればやや乾き気味にした方が、おいしいトマトが収穫できます。梅雨明け後は畝の表面にわらや枯れ草を敷いて、畝の水分安定を図り地温の過剰な上昇を防ぐようにします。敷きわらはマルチをしている場合でも、その上に敷くと有効です。
収穫
十分に果実を熟させ、トマトの果実温が上がらない朝のうちに収穫します。
すぐに冷蔵庫へ入れて、品質の変化がないようにしておきましょう。
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果実がなりすぎたら1果房5果くらいに摘果しておくと球ぞろいがよい。
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トマトは果実の緑色が白っぽくなってから発色を始める。
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収穫も後期になると、乾燥後の降雨などで裂果することがある。潅水に注意。
栽培のポイント
1.よい苗を選ぶ
家庭菜園では育てる数が少ないので、苗を購入するのが得策です。その場合、次のような苗を選びましょう。
(1)できるだけ大きめのポットで育てられたもの。
(2)茎が鉛筆くらいの太さで、子葉がしっかりとついており、節間が均等なもの。
(3)病害虫の被害を受けていないもの。
(4)第1花房の開花が始まったころのもの。
2.生育適温は25℃前後
生育適温は24〜26℃で、33℃を超すと生育は鈍り、40℃ではこれを停止します。低温反応については、10℃で生育が鈍り5℃で停止、霜にあうと枯れてしまいます。
3.元肥は控えめに、追肥で調節
生育前半の過繁茂を防ぎ、収穫が始まるころからは、肥料切れを起こさないよう追肥を調節して草勢を保ちます。
4.芽かきをする
わき芽かきが遅れないようにします。
5.日照不足が結実しない原因
日当たりのよい場所を好み、日照不足になると生育が悪くなります。特に、花器の異常が目立って落花が多くなり、結実しない原因のほとんどが日照不足だとされるほどです。
6.花芽分化は葉の枚数で決まる
一般に花芽分化は温度や日長の影響を受けますが、トマトは葉が7〜12枚くらい分化すると花芽を形成し、以後2〜3葉ごとに花芽を分化します。
7.水分管理に注意
梅雨時には排水を図り、梅雨明け後は敷きわらを増やして畝の水分安定を図ります。
8.通気性のよい場所で
弱アルカリからかなりの酸性土まで、広い範囲に適応しますが、pH5.5以下の酸性土の場合は苦土石灰の施用が有効です。根の酸素要求度が高いので、通気性のよい畑を選ぶようにします。