農業・園芸用語集

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五十音リスト
苞(ほう) 膨圧(ぼうあつ)
萌芽(ほうが) 訪花昆虫(ほうかこんちゅう)
ほう芽抑制剤(ほうがよくせいざい) ほう素欠乏(ほうそけつぼう)
防虫ネット(ぼうちゅうネット) 放任栽培(ほうにんさいばい)
苞葉(ほうよう) ボカシ肥(ボカシごえ)
穂木(ほぎ) 穂肥(ほごえ)
ポジティブリスト制度(ポジティブリストせいど) 圃場容水量(ほじょうようすいりょう)
保水力(ほすいりょく) ポストハーベスト
ポット育苗(ポットいくびょう) ポット
ボトニング ボトリチス
保肥力(ほひりょく) 匍匐(ほふく)
ほふく性(ほふくせい) 母本(ぼほん)
ポリエチレン ポリ鉢(ポリばち)
ポリマルチング ボルドー液(ボルドーえき)
ホルモン剤(ホルモンざい) ホルモン処理(ホルモンしょり)
本葉(ほんば) 本圃(ほんぽ)
苞(ほう)

葉の変形したもので、そのわきに咲く花を保護する。ハナミズキやブーゲンビレアで花弁のように見える部分。

膨圧(ぼうあつ)

細胞の内圧と外圧との差。植物細胞では、細胞壁が膨張に抵抗するため、数気圧から数十気圧にもなる。

萌芽(ほうが)

芽を吹くこと。芽生え。発芽。

訪花昆虫(ほうかこんちゅう)

ミツバチなどのように蜜や花粉を求めて花にやってくる昆虫。農業上では、ウリ類など雌雄異花性作物の授粉・着果や、アブラナ科野菜の採種などのポリネーターとして重要な役割を担う。

ほう芽抑制剤(ほうがよくせいざい)

芽の発生やその発育を抑える働きをする薬剤をいう。MH-30などがその例である。

ほう素欠乏(ほうそけつぼう)

ほう素の吸収が欠乏すると、芯止まりや、葉の中肋(ちゅうろく)の内側に褐色のあかぎれ状の組織ができ、生育を阻害する。これをほう素欠乏といい、アブラナ科の野菜やセルリーに起こりやすい。

防虫ネット(ぼうちゅうネット)

作物の上に被覆することで、害虫の侵入を防ぐネット。不織布より目は粗いが、風や霜、軽度の寒さよけにもなる。

放任栽培(ほうにんさいばい)

整枝などの、管理作業の手間をはぶいた栽培方法。

苞葉(ほうよう)

花序の中の部分にある葉の変形したもの。

ボカシ肥(ボカシごえ)

有機質肥料と(粘土や)微生物の力を借りて発酵させた肥料で、チッソ成分をアミノ酸態・核酸で供給する。材料の一例として、大豆混合粕20kg・米糠20kg・ナタネ粕20kg・魚粕20kg・骨粉20kg・発酵菌1〜1.5kgを混合し、水分を25%に調整して発酵させる。特に発酵の過程でできるアミノ酸を作物に吸収させ、味・香り・色をよくさせる効果があると言われている。

穂木(ほぎ)

接ぎ木栽培における上部を担う植物体。逆に下部を担うものが台木である。

穂肥(ほごえ)

稲作などの出穂時に施用する追肥。籾の充実や収量増加が目的であるが、過剰の施用では食味や品質を低下させることがある。

ポジティブリスト制度(ポジティブリストせいど)

農薬・飼料添加物などの残留基準を見直し、基準が設定されていない農薬などが一定量以上含まれる食品の流通を原則禁止する制度。流通する農作物について、食品としての安全性を確保するために2003年の食品衛生法の改正により制定された。輸入品にも適用される。

圃場容水量(ほじょうようすいりょう)

降雨などにより土壌に十分な水が与えられた後、重力によって余分な水が排除され、下層への水の移行がほとんどなくなった時の土壌水分量。植物が生育している時の土壌の水分量はpF2前後。最小容水量(さいしょうようすいりょう)と同意語。
※pFとは、土壌に吸着されている水分を分離する力を表示する単位。数字が大きくなるほど含まれている水分が少ないことを表す。

保水力(ほすいりょく)

土中の水分を保持する能力をいう。

ポストハーベスト

「収穫された後の」という意味。従ってポストハーベスト農薬とは、収穫後の農作物に処理される農薬を言い、主に船便などによる長距離輸送や、長期間貯蔵される農作物での病害虫発生の防除が目的である。

ポット育苗(ポットいくびょう)

ポットを用いて、苗を育てることをいう。植え傷みを避ける利点があるが、時期を失してポットの内壁に苗の根がはびこってしまうと、植え付けてからの生育がひどく遅れる。

ポット

鉢やつぼなどの容器をポットという。園芸上は植木鉢の意味に用い、その原料からポリポットやピートポットなどという。

ボトニング

ボトニングとはカリフラワーの異常花蕾で、植物体がまだ十分に育っていないのに、低温にあって花芽分化を起こし、形の悪い小さい花蕾しかできないことをいい、春まき栽培で発生が多い。他にもリーフィーライシーなどがあり、いずれも播種期の誤りによる花芽分化や花蕾発育の不調によって起こる。これらはもちろん商品価値がない。ボトニング・リーフィーはブロッコリーにも発生する。

ボトリチス

灰色かび病ともいう。この病害は高温多湿のときに発生しやすい。茎葉や花や果実に灰色のかびを生じて生育を害し、ときに大被害となる。

保肥力(ほひりょく)

土がもっている、肥料成分(養分)を保持する能力のこと。土が有機質を多く含み、団粒構造になっていると、保肥力が強くなる。「肥料もちがよい」ともいう。

匍匐(ほふく)

植物の茎や枝が地面を這って伸びること。

ほふく性(ほふくせい)

茎や枝がつる状に伸び、地上をはうような草姿になる植物の性質をいう

母本(ぼほん)

品種・系統の栽培特性の改良や採種のために、特定の株を選び出す場合がある。この選ばれた株を母本という。

ポリエチレン

ー般にはポリと略称される。農業用にはビニールとともにトンネル栽培やハウス栽培の被覆材料としてたくさん使われている。ビニールに比べて紫外線をよく通し、汚れにくい利点があり値段も安いが、保温効果はビニールより幾分劣る。また、トンネルでは霜の害を受ける場合があるので注意を要する。

ポリ鉢(ポリばち)

ポリエチレン製で、主に育苗に用いられる容器。

ポリマルチング

ポリエチレンフィルムを使ったマルチングのことをいう。普通、透明・黒色・緑色のポリエチレンが使われるが、アブラムシ除けの効果をねらった銀色のものもある。

ボルドー液(ボルドーえき)

殺菌剤として使われる農薬の一種で、糸状菌や細菌性病害に対して幅広く予防的な効果を示す。有効成分は塩基性硫酸銅カルシウムで、生石灰と硫酸銅より調製される古典的な農薬である。アルカリ性であるため、他剤との混用には注意が必要である。有機栽培でも使用できる農薬。

ホルモン剤(ホルモンざい)

トマトの落化防止や果実の発育を助長する目的でトマトトーンを用いるが、このように植物の生育その他の生理機能を調節する効果を現す薬剤をホルモン剤という。

ホルモン処理(ホルモンしょり)

生長・開花・着果・果実の発育などに対し、必要に応じてこれらを促進したり、あるいは抑制する目的でホルモン剤を使用することをホルモン処理という。

本葉(ほんば)

子葉の後に展開する、その植物本来の葉。

本圃(ほんぽ)

苗床などのように、栽培のある期間だけでなく、その栽培を完了するまで引き続き使用する圃地を本圃といい、苗床から別の苗床に植え替えることを移植、苗床から本圃へ植え付けることを定植という。