農業・園芸用語集
こ
耕運(耘)(こううん)
田畑を耕すこと。
高温障害(こうおんしょうがい)
高温が原因で作物に起こる、収量や品質の低下を招く生育障害のこと。
抗火石(こうかせき)
低温流通体系と訳され、生鮮食品を冷凍、冷蔵、低温の状態で生産者から消費者の手に送りとどける仕組みのことで、とくに夏季の軟弱野菜の鮮度を維持することができる。
好気性(こうきせい)
生育・生存に対して、空気(つまり酸素)が有効な場合、好気性であるといい、その反対に有害な場合を嫌気性という。
好気性細菌(こうきせいさいきん)
土中にいる細菌のうち、酸素の多い状態を好むものをいう。
孔げき量(こうげきりょう)
土の中の隙間を孔げきといい、水や空気で満たされている。そして、一定容積の土の中にある孔げきの容積を孔げき量といい、次式で求める。
光合成(こうごうせい)
光合成は、炭素同化作用や炭酸同化作用、あるいは簡単に同化作用とも呼ばれ、緑色植物が光のエネルギーを利用して、炭酸ガスと水から糖やデンプンなどのような炭水化物を合成する働きをいう。
好光性種子(こうこうせいしゅし)
タネの発芽にあたり、太陽光線が与えられると発芽を促進するものを、好光性種子(光発芽種子)という。レタス・シュンギク・ニンジン、草花のペチュニア・プリムラなどはその例である。
交雑育種(こうざついくしゅ)
幾つかの品種を交配して、その子孫の中から目的に沿った新しい品種を作り出す改良のやり方を交雑育種という。この手段は、それぞれの品種が持っている遺伝的な長所を新しい一つの品種に併せて持たせたり、ある品種が持っている遺伝的な欠点を抑えたり、取り除くような効果が期待できる。
硬実(こうじつ)
タネの皮が水を透しにくいと、そのために発芽が妨げられる。このようなタネを硬実という。対策としては、浸漬などにより吸水を助け発芽を促す。また物理的に種皮に傷をつける。
向日性(こうじつせい)
植物の一部(茎など)が光に向かって伸びる性質のこと。
耕種的防除(こうしゅてきぼうじょ)
栽培する上で、害虫や病原菌ができるだけ発生しないように環境を整えることで、予防的に防除を行う方法。
更新剪定(こうしんせんてい)
多くは果樹で、野菜ではナスの場合に行われる作業。古くなって生産力が衰えた枝を切り捨てて、新しく元気な枝を発生させるやり方をいう。
抗生物質剤(こうせいぶっしつざい)
微生物によって生産され、かつ他の微生物を死滅させる物質で、細菌性病害に高い効果がある。植物組織に速やかに浸透、移行し、持続効果も長く効きめが安定している。
アグリマイシンやストレプトマイシンなどがある。
洪積土(こうせきど)
土は岩石の風化したものであり、それが重力・風雨・流水などで、他へ運ばれて積もったものを運積土という。この運積土には、洪積土と、それよりも遅れてできた沖積土(ちゅうせきど)がある。洪積土は現在、丘や低い台地の上部を形成していて、主に畑に利用されている。また沖積土は、現在の河川や湖、海に近い低地を作り、多くは水田に利用されている。
耕土(こうど)
圃場の土のうち、作物の根張りの大部分をおさめ、直接に耕運(耘)施肥など栽培操作の対象となる上層の部分を耕土といい、続く下層を心土(しんど)という。
高度化成肥料(こうどかせいひりょう)
チッソ、リン酸、カリのうちの二成分以上を含み、かつそれらの含有率が全体の30%以上の化成肥料を指す。
交配種(こうはいしゅ)
これは一代雑種(いちだいざっしゅ)の同意語で、一般に広く用いられている。
高品質種子(こうひんしつしゅし)
タネには、発芽率や発芽勢に優れる、病気にかかっていない、品種として純粋であることなどが要求される。これらの特性をすべて満たすような、安定した栽培につながるタネを高品質種子とよぶ。
厚膜胞子(こうまくほうし)
厚い細胞壁をもち、不良環境に耐える胞子。病原菌などの菌糸などの一部に形成され、細胞壁が二重になっているものが多く、低温や乾燥に強い。
高冷地(こうれいち)
低緯度地帯でありながら標高が高く(700〜800mが目安)、寒冷な土地。都市部の市場に比較的近接しているため、夏季の冷涼な気候を生かして栽培した作物を、鮮度を保って市場に出荷することができる。また、標高400〜700m程度の高冷地に準じる地帯を、準高冷地と呼ぶこともある。
高冷地栽培(こうれいちさいばい)
普通、標高700〜800m以上の高地で行う栽培をいう。400〜700mを準高冷地といい、いずれも夏の冷涼な気候を活用する。
コーティング種子
厚い細胞壁をもち、不良環境に耐える胞子。病原菌などの菌糸などの一部に形成され、細胞壁が二重になっているものが多く、低温や乾燥に強い。
コールドチェーン
低温流通体系と訳され、生鮮食料品を冷凍・冷蔵・低温の状態で生産者から消費者の手に送り届ける仕組みのことで、特に夏季の軟弱野菜の鮮度を維持することができる。
腰水(こしみず)
植物を植え付けた鉢などを、水を張った容器に浸して鉢底から吸水させること。
互生(ごせい)
葉のつき方。対生は、各節に2枚つき、2葉が茎をはさんで反対方向につく。互生は、各節に1枚の葉がつく。
木立ち性(こだちせい)
草であるのに、木の幹のように茎が立つ性質のこと。なじみ深いものに「木立ち性ベゴニア」がある。
骨粉(こっぷん)
動物の骨を主体に作った肥料で、主成分はりん酸三石灰(Ca3P2O8)・骨素・油脂。窒素や加里は少なく、効き方は遅く緩やかである。
子蔓(こづる)
親蔓(おやづる)の項を参照。
固定種(こていしゅ)
交配種(こうはいしゅ)、または一代雑種(いちだいざっしゅ)に相対する用語で、遺伝的に固定している品種のことをいう。これを一般種という場合もある。
コナガ
アブラナ科作物の重要害虫である。幼虫の多くは葉裏に寄生し、表皮を残して食害する。葉を動かしたり手で触れたりすると機敏に動き、落下・逃亡する。年10〜12回発生。有効薬剤が少なく駆除が難しい。
コルヒチン
細胞分裂の時、染色体の分離を阻害する作用のある薬品で、染色体の数を倍加させるのに用いる。
ゴロ土(ゴロつち)
鉢植えのときに、水はけと通気性をよくするために鉢底に入れる、粒の大きな土。赤玉土の大粒などが用いられるが、土のほかに石や発泡スチロールの破片などが使われる場合もある。小さな鉢などの場合は、ゴロ土を使わないこともある。
根冠(こんかん)
根の先端を覆っている組織で、根端分裂組織(成長点)を保護する役割がある。
根茎(こんけい)
根のように横に伸びる茎。多くは地下で伸びてゆくが、地上を走るものもある。
根系(こんけい)
作物の根は上下左右に伸び広がる。この広がり全体を根系という。
根系は遺伝的能力と、土その他の環境とによって作られる。したがって、その広がり具合は、種類や品種によって一様ではない。
根圏微生物(こんけんびせいぶつ)
植物の根は水溶性有機物を分泌し、細胞の一部を脱落する。植物根はしばしばムシゲルと呼ばれる粘質の有機物で覆われている。これらの有機物を利用して増殖した微生物は植物根の周辺で高い密度を示す。これらを根圏微生物と呼び、植物に非常に重要な役割を果たしている。
マメ科植物に寄生する根粒菌もその一つである。
根菜類(こんさいるい)
ダイコン・カブ・ニンジン・ゴボウなどのように肥大した根部を食用とする野菜類をいう。肥大して食用となる部分は、主根だけではない。主根は子葉の下端から出ているが、子葉の下の胚軸部分も肥大して食用部分を作りあげている。
混作(こんさく)
2種類以上の作物を同時期一緒に混植栽培すること。
根生葉(こんせいよう)
冬季のタンポポやマツヨイグサなどに見られるように、節の間隔が極端に短くなった茎から出ている葉。ロゼット葉。
コンテナガーデニング
プランターや植木鉢をはじめ、ハンギングバスケットやウインドーボックスなど、さまざまな容器に植物を植え込み、美観形成などに役立てること。一般的な鉢植えよりも、容器自体の鑑賞性や、植物と容器の調和を意識したものである。
コンパニオンプランツ
主植物の側に植栽して、主植物の生育上有益な働きをする植物。トマト圃場の側に植えて害虫除けの働きをするハーブ類など。
コンポスト
家庭からでる生ごみや落ち葉を微生物の働きによって分解させた肥料のこと。
根毛(こんもう)
根の先端近くに生える毛状の組織。根の表面積を増やすことで、養分や水分の吸収をよくする役割がある。
根粒菌(こんりゅうきん)
植物の根に共生し、空気中の窒素ガスを固定する細菌類。自然界の窒素循環に大きな働きをする。マメ科植物でよくみられ、固定した窒素は寄主植物が利用する。