農業・園芸用語集
ひ
pH(ピーエッチまたはピーエイチ)
溶液中の水素イオン濃度を常用対数で1〜14に表したもの。土壌溶液のpHは植物の生育に大きな関わりを持つ。中性はpH7、酸性度が強まるにしたがって順次にpH6、pH5、pH4…、またアルカリ度が強まるにしたがって順次にpH8、pH9、pH10…のように表す。ペーハーとも読む。
ピートモス
寒冷な湿地帯で生育しているミズゴケが堆積し、分解して繊維状になったもの。保水性に優れ、用土の主原料として使われる。酸性が強いので注意が必要。
ピート
ミズゴケなどの植物有機物が、寒冷地の低湿地で長年月の間堆積し、褐変腐植化したもの。軽くて通気性、吸水性に富み、鉢花の栽培用土としてそのまま、あるいは他の土と混和して用いられる。酸性が強いので注意が必要。
ppm(ピーピーエム)
partspermillionの略。100万分のいくつかに当たるかを示す語。濃度・存在比率などを表すのに用いる。百万分率。
微気象(びきしょう)
地表や植物体の側などのように、限られた局部の気象を微気象といい、普通の気象観測では明らかにできない。
ひげ根(ひげね)
主根と側根の区別がつかず、多数の細い根がひげ状に生えているものを、ひげ根という。単子葉類の根の生え方である。
肥効(ひこう)
肥料を施したことによる効果をいう。
ひこばえ
樹木の切り株や根元から群がり生える若芽。
被子植物(ひししょくぶつ)
花を咲かせて種子をつくる種子植物のうち、種子の基となる胚珠が心皮によって包まれている植物。種子植物の大部分は、この被子植物である。
非選択性除草剤(ひせんたくせいじょそうざい)
どの植物も一様に枯らす性質の除草剤をいう(選択性除草剤)。
肥培(ひばい)
肥料をやって作物を育てること。
被覆資材(ひふくしざい)
ベタがけやマルチング、ビニールハウスの内・外張りをはじめ、その他遮光、防虫、防風など、栽培において何らかの目的のために、覆いとして用いる資材のこと。
被覆肥料(ひふくひりょう)
水溶性肥料を硫黄や合成樹脂などの膜で被覆し、肥料の流出量や流出期間を調節したもので、被覆窒素・被覆複合肥料がこれにあたる。被覆資材の種類や膜の厚さにより流出量や流出期間が異なり、かなりの精度で作物の生育に合わせた肥効のコントロールができるものもある。
日向土(ひゅうがつち)
宮崎県日向地方に産する灰色の粒状多孔質土で、通気性に富むが保水力が無く乾燥しやすい。山野草や洋らん用土として使われる。中性土。
非有効水分(ひゆうこうすいぶん)
土中の水は、化合水・吸湿水・毛管水などいろいろの形で存在しているが、作物が直接利用するのは主に毛管水であり、これを有効水分といい、その他の形で存在する水を非有効水分という。
平床育苗(ひらどこいくびょう)
フレームの中に均一に土を入れて直接育苗する方法で、播種床・移植床として用いられる。
肥料(ひりょう)
植物の生長において、チッソ、リン酸、カリなど必要な養分を供給するための物質。含まれている養分の種類や、製造方法に応じてさまざまな種類がある。
肥料あたり(ひりょうあたり)
「肥料負け」「肥料障害」「こえ負け」ともいう。濃い肥料を施した場合に起こりやすく、障害が軽ければ、葉の先や縁が枯れる程度だが、ひどいときには株ごと枯れてしまう。
肥料三要素(ひりょうさんようそ)
作物の生育には十六の成分が必要とされているが、このうち主な成分は窒素(N)、りん酸(P)、加里(K)、の三成分であり、これを肥料三要素という。
肥料成分(ひりょうせいぶん)
肥料の中に含まれている化学成分をいう。
肥料反応(ひりょうはんのう)
肥料の効果は、成分とともにその反応に左右される。過りん酸石灰の水溶液は酸性反応を示し、硫安の水溶液は中性を示す。また、硫安を施用すると、土の反応が酸性を呈するようになる。このような水溶液の反応を肥料の化学的反応といい、施用した後の土の示す反応を生理的反応という。
肥料副成分(ひりょうふくせいぶん)
肥料の中に含まれている三要素以外の成分を副成分という。例えば、硫安の中の硫酸は硫安肥料の副成分である。どのような副成分を含んでいるかは、肥料選択上大切である。
微量要素(びりょうようそ)
鉄・マンガン・銅・亜鉛・ほう素・モリブデンなども三要素やカルシウム、苦土などと同じく必要な成分であるが、その必要量は微量である。このような成分を微量要素という。これらの成分が不足すると生育が悪くなる。
肥料四要素(ひりょうよんようそ)
作物の生育には16の成分が必要とされているが、このうち主な成分は窒素(N)、りん酸(P)、加里(K)、石灰(Ca)の4成分であり、これを肥料四要素という。
品種(ひんしゅ)
作物で種類の次に位するのが品種である。例えば、ダイコンやリンゴなどはともに作物の種類であり、みの早生はダイコンの品種、紅玉はリンゴの品種である。
品種改良(ひんしゅかいりょう)
栽培性を向上させたり、食味をよくしたりするために、目的に適う遺伝的特質をもつ新しい品種を育成すること。
品種登録(ひんしゅとうろく)
種苗法に基づき、一定の要件を満たした新品種を登録することで、育成者の権利保護(第三者による増殖の制限など)を図る制度。
ピンチ
ピンチングともいい、摘芯(てきしん)と同意語。
ピン接ぎ法(ピンつぎほう)
台木と穂木の胚軸や茎に直接ピンを押し込んで固定する接ぎ木法。ツギピンは径0.5mm、長さ15mmのセラミックのピンで断面は六角形。接ぎ木操作が容易で能率が上がり、ナス科・ウリ科すべてに接ぎ木可能。