農業・園芸用語集

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バーク堆肥(バークたいひ)
木材の皮や切りくずなどを発酵させて作った堆肥で、野菜や花の栽培に利用される。
パーゴラ
植物を誘引して立体的に仕立てるために用いる。基本構成は柱と梁で、柱はつる性植物を固定し、梁は這い上がってきた植物を横に広げるために必要。
バーティシリウム黒点病(バーティシリウムこくてんびょう)
バーティシリウム菌によるダイコンの土壌病害。主な症状は、根部の維管束の黒変で商品価値を著しく損なうが、外観的には健全株と見分けがつきにくく注意が必要である。冷涼地での発生が主で、対策としては被害残渣の除去、アブラナ科の連作回避、土壌消毒を行うなどが挙げられる。
バーナリゼーション
植物の春化、つまり花のもとをつくる段階を、人為的に経過させるために行う操作がバーナリゼーション(春化処理・しゅんかしょりともいう)で、その手段は低温にあわせる方法が普通である。低温の程度とそれを与える期間や処理する植物の生育度は、種類や品種によって違い、グリーンプラント・バーナリ型とシード・バーナリ型に大別される。
バーミキュライト
ひる石という鉱物を高温で発泡させることで、薄い板状に多層になったもの。軽くて保水性・通気性に優れ、用土の原料や覆土材として使用される。
パーライト
真珠岩という鉱物を高温で焼いて発泡させたもの。白色で軽い粗粒状の素材。多孔質で非常に軽く、通気性や排水性に優れる。用土の原料として使用される。
胚(珠) 培養(はい(しゅ)ばいよう)
種間・属間など縁の遠い植物間の交配では、雑種胚が発育を停止し、やがて枯死する場合がしばしばみられる。胚(珠)培養とは、雑種胚が枯死する前に、胚や胚珠を取り出し、人工培地上で培養し発芽させる技術をいう。カンランとハクサイの種間雑種のハクランは胚(珠)培養によって作られた。
灰色かび病(はいいろかびびょう)
この病害は高温多湿の時に発生しやすい。茎葉や花や果実に灰色のかびを生じて生育を害し、ときに大被害となる。ボトリチス菌による病害。
バイオテクノロジー
生物体およびその機能を効率的に活用する技術。通常、遺伝子組換え・細胞融合・組織培養技術の他、バイオリアクター技術(酵素や微生物の反応を効率的に行わせて物質を生産する技術)などを指す。また様々な関連技術がある。
バイカラーコーン
スイートコーンのスーパースイートタイプで、成熟期の粒色が黄色に30%程度の白い粒が混入する品種。
配合肥料(はいごうひりょう)
普通肥料を配合し、肥料の三要素のうち二成分以上を含み、合計量が15%以上を保証するもの。
胚軸(はいじく)
種子内にある胚のうち、子葉と幼根とを結んでいる軸の部分のこと。
倍数性育種(ばいすうせいいくしゅ)
染色体の数を倍加することによって新しい品種を育成する方法をいう。タネなしスイカを育成する上で行われる場合もある。
這い性(はいせい)
茎や枝が立ち上がらず、地表を這うように伸びていく性質。
胚乳(はいにゅう)
種子の中にある、胚を包んでいる組織。発芽時に養分を供給する役割をもつ。
培養液(ばいようえき)
生育に必要な成分の水溶液を生育のために使用する場合、この液を培養液という。水耕(すいこう)・磔耕(れきこう)・ロックウール栽培にはもちろんこれを用いる。
培養土(ばいようど)
植物を育てるときに使う土のこと。鹿沼土など自然の土を単体で使う場合もあるが、多くは赤玉土や腐葉土など、いろいろな土質の用土を混ぜて使う。水ゴケもその一つ。
ハウス育苗(ハウスいくびょう)
ハウス内で育苗することをいう。作業・保温性に優れ、ことに雨や風で妨げられず適期に作業ができる。
葉かび病(はかびびょう)
ハウスや温室栽培のトマトに多発する病害で、葉の裏面に灰白色粉状のかびを生じ、次第に灰褐色のかびとなる。主に施設栽培で問題となり、発生適温は20〜25℃、多湿条件下で多発する。
葉枯病(はがれびょう)
種子伝染をする病害で、セルリーが侵されやすく、被害は下葉から若葉に及ぶ。
葉変わり(はがわり)
植物の一部の葉に生じた突然変異。
白斑病(はくはんびょう)
ハクサイに多発する病害で、葉に白い不整形の斑紋をつくる。
葉挿し(はざし)
葉を挿し穂に使う挿し芽のやり方。茎(枝)を葉に少しつけたままで挿す場合も「葉挿し」ということがあるが、厳密には葉だけ(葉柄は含む)を挿し穂にする。代表的な例として、レックス・ベゴニアやセントポーリアの繁殖に利用される。
ハダニ(アカダニ)
吸収口をもった、針の先ほどの大きさの害虫で、葉の裏につきやすく、葉を黄変、脱落させる。乾燥すると特に発生しやすい。
鉢上げ(はちあげ)
苗床から鉢に移植すること。庭植えの木や草を鉢に移植する場合にも使われる言葉。
鉢育苗(はちいくびょう)
鉢を用いて、苗を育てることをいう。植え傷みを避ける利点があるが、時期を失して鉢の内壁に苗の根がはびこってしまうと、植え付けてからの生育がひどく遅れる。ポット育苗ともいう。
鉢増し(はちまし)
ひとまわり大きな鉢に植え替えること。
発芽(はつが)
種子内の幼芽や幼根が、種皮を破り外に出てくる状態。
発芽勢(はつがぜい)
タネは揃って一斉に発芽することが望ましい。この揃いの度合いを発芽勢という。
発芽適温(はつがてきおん)
植物のタネが発芽に好適な温度範囲のこと。植物によって異なるが、温帯から亜寒帯にかけて生育する植物の場合、15℃前後が目安になる。
発芽率(はつがりつ)
播種されたタネのうち発芽したタネの割合をいう。
つまり、発芽率=発芽数/播種数×100(%)で、この数値は高いほど望ましい。
発根促進剤(はっこんそくしんざい)
挿し木や取り木による繁殖の際、インドール酪酸5〜20ppmやナフタレン酢酸50〜100ppmの処理により発根促進を図ることができる。このような製剤を発根促進剤という。
初霜(はつしも)
晩秋または初冬の候、そのシーズン最初に降る霜のことをいい、毎年地域によってその時期は大きく変わらない。したがって、その地方の作物の作付時期を決める有効な条件の一つとなる。
花落ち(はなおち)
トマトをはじめとした果実で、花が落ちて間もない状態。
花がら(はながら)
咲き終わっても散らずに残っている枯れた花のこと。いつまでも残しておくと見苦しいだけでなく、病気を誘発することがある。タネを採取する場合を除き、「花がら」は早めに摘むことが鉄則。
花芽(はなめ)
発達すると、花になる芽のこと。<かが>
花芽分化(はなめぶんか)
植物の生長の過程において、花の各部分(花弁や雄しべ・雌しべなど)の基が形成されること。
葉水(はみず)
葉にかける水のこと。普通は霧吹きを用いるが、ジョウロで植物の頭から水をやる場合も「葉水」という。葉のまわりの空中湿度を高める効果がある。ハダニを防ぐのにも有効。
葉芽(はめ)
葉や枝(茎)の「もと」が入っている芽のこと。小さめで細い形をしている。
ハモグリバエ
幼虫が葉の表皮の内部を食害するハエの一種で、エンドウなどにその被害が多い。
散まき(ばらまき)
播種方法の一つで、苗床などの全面にタネを均一に散らばらせてまくことをいう。
春植え球根(はるうえきゅうこん)
耐寒性をもたないため、春に植え付ける球根のこと。カンナやダリアなどが該当する。
バルブ
一般には球根のこと。洋ランでは、養分や水分を蓄えるため葉がついている茎が大きくふくらんでいるものをいう。
春まき一年草(はるまきいちねんそう)
一年草のうち、耐寒性がないため春にタネをまくもの。
半枯病(はんがれびょう)
ナスだけを侵すフザリウム菌による土壌病害で、発病適温は地温28℃以上で高温乾燥の時に発生しやすい。初め下葉の葉柄付近から黄変し始め、しだいに主脈を境に葉の半分が黄変枯死する。黄変葉はしだいに上葉に及び、半身萎凋病のように萎れて垂れ下がることなく、下葉から落葉する。病株の茎を切断すると導管部が黄褐色に変色している。赤ナス台木の接ぎ木ナスにはほとんど発病が見られない。
ハンギングバスケット
草花を植えて、壁に掛けたりつるしたりするためのバスケット。
半身萎凋病(はんしんいちょうびょう)
バーティシリウム菌による根から感染する病害で、トマト・ナスなどで発生する。生育途中から萎れて枯れる。連作地に多く発生するので連作は避け、土壌消毒が効果的。耐病性品種の選択や接ぎ木栽培で回避する。
半数体(はんすうたい:ハプロイド)
体細胞の染色体数が半数になっている植物体。花粉などの生殖細胞を人工培地上で培養することにより作られる。不稔(ふねん)の場合が多い。
晩霜(ばんそう)
晩春になってからの降霜を晩霜という。植え付けが済み、あるいはすでに生育を進めている時期なので、その被害は大きい。
冷え込み・快晴・無風の三つが降霜を誘う条件で、夜8時の気温が10℃以下だと翌朝はたいてい霜、12℃以下であれば70〜80%の確率で霜が降りる。
半促成栽培(はんそくせいさいばい)
収穫の前進をねらった栽培で、加温をしないハウス栽培をいう。出荷期は促成栽培の出回りの後に続く。
晩抽性(ばんちゅうせい)
抽苔(ちゅうだい)の遅い性質のことで、品種差がある。葉根菜類の春まき栽培で特に問題となり、晩抽性の品種が求められる。
斑点病(はんてんびょう)
セルリーなどに多い病害で、高温多湿の時に発生しやすい。葉・葉柄・茎に黄緑色水浸状の斑点を生ずる。
半日陰(はんひかげ)
直射日光を受けるのではなく、また、日光をまったく受けないのでもない、日光が当たりながらも多少日陰になる状態をいう。木もれ日や寒冷紗を通した日光がそれにあたる。かなりあいまいな光の強さの表現だが、実用上はそれで十分なことが多い。