農業・園芸用語集

い
EC(イーシー)
電気の通りやすさを示すもので、電気伝導度のことをいう。
土壌中のECを測定すれば、塩類濃度がわかり、作物を栽培する場合の施肥量の目安にできる(塩積・塩類濃度障害、えんせき・えんるいのうどしょうがい)。
萎黄病(いおうびょう)
キャベツ・ダイコンなどの重要な土壌病害で、フザリウム菌によって発病する。葉は緑色を失って黄色に変わり、生育が止まってやがて枯死する。対策としては、耐病性品種を用い、連作地ではクロールピクリンなどで土壌消毒する。
イオウ
植物の生育に必要な要素の一つ。たんぱく質、アミノ酸、ビタミンなどを構成する要素。欠乏すると葉の黄化などが起こるとされるが、日本は火山国であるため、一般的な圃場で不足することはほぼない。
維管束(いかんそく)
植物の根や茎、葉といった各器官を結ぶ通導組織で、シダ植物と種子植物に存在する。主に水の通路である木部と、同化産物の通路である師部からなる。水や養分を運ぶだけでなく、植物体自身を支える役割も担っている。
育種(いくしゅ)
遺伝的な素質をかえて、より有用なものに改良すること。
育苗(いくびょう)
ポットやセルトレイ、苗床などを使い、植えつける畑とは別の場所で苗を管理し、育てること。
移行型除草剤(いこうがたじょそうざい)
葉・茎・根などから吸収され、植物体の各組織に移行拡散して、殺草効果をあらわす除草剤。
石ナス
低温期の栽培では、受精が悪いため果実の中にタネができないまま着果することがある。多くの場合、肥大が悪く石のように硬い果実になる。これを防ぐためにはホルモン剤を利用する。
異常主茎(いじょうしゅけい)
トマトの茎が異常に太くなり、ひどい場合は茎の中央部に穴があき、生長点が退化する。このような状態を異常主茎という。原因は、(1)若苗を植えた時、(2)元肥や追肥の過多、(3)1〜2段花房に着果しなかった時、などがあげられる。対策としては肥料を控え、追肥は1段花房が着果してピンポン玉大になってから施すこと。
移植(いしょく)
セルトレイで育苗した苗をポットへ植えるなど、植物をある場所から他の場所へ植え替える作業をいう。
移植機(定植機)(いしょくき・ていしょくき)
野菜の苗を移植(定植)する機械。移植機用苗の形態には、引き抜き苗と根鉢のついた苗があり、これらの苗を定植する移植機には半自動移植機と全自動移植機とがある。
半自動移植機:苗の供給は人力で行うが、それ以降の工程である開孔・植付・覆土・鎮圧作業は機械が自動的に行う方式。
全自動移植機:田植機のように苗を自動供給し、移植作業を全て機械でできる方式。乗用タイプで複条植えの高性能機械などが市販されている。
一代雑種(いちだいざっしゅ)
品種や系統の違ったAとBを両親とする雑種の一代を一代雑種という。交配種(こうはいしゅ)、またはF1(エフワン)ともいわれる。
一日花(いちにちばな)
一つの花の寿命がおおよそ1日しかない花のこと。アサガオ、ハイビスカス、ヘメロカリスなど。
一年枝(いちねんし)
生じてから1年未満の枝。春の芽吹き以降に出た枝で、まだ次の春を迎えていない、最も若い枝のこと。
一年草(いちねんそう)
1年以内に開花して、その一生を終わる性質を一年性(いちねんせい)といい、このような性質の草花を一年草という。
一番花(いちばんか)
株のうちで、最初に開花する花のこと。
萎凋係数(いちょうけいすう)
土中の水分が減ると、植物は次第に萎れ、しまいには、もはやいくら水を与えても回復できなくなる。回復できなくなった時の水分の量を萎凋係数という。
萎凋病(いちょうびょう)
主に花き類やトマトを侵す、土壌伝染性病害。多くの場合、糸状菌であるフザリウム・オキシスポーラムが病原菌となる。花きの場合は下葉の枯れ、トマトの場合は下葉の黄化といった症状から始まり、いずれの場合もやがて枯死に至る。防除には抵抗性品種の利用や、土壌消毒が有効である。
一季咲き(いっきざき)
開花特性の一つで、1年に一回だけ花を咲かせること。
一歳植物(いっさいしょくぶつ)
一般の樹木は、発芽から開花・結実するまで数年を要する。ところが、ある樹種や品種では、基本種に比べて非常に早く、1〜2年のうちに発芽から開花・結実するものがある。これらを園芸上「一歳植物」または「一歳もの」と呼んでいる。
一般平坦地(いっぱんへいたんち)
栽培地を分類するうえで、高冷地・冷涼地・暖地などを除く地域で、一般には関東以西の平坦地をさす。
遺伝・遺伝子(いでん・いでんし)
親から子・孫に体の形や色などの形質が伝わる現象を遺伝といい、伝える物質が遺伝子、その本体がDNAである。
遺伝子組換え(いでんしくみかえ)
遺伝子(DNA)を生物から生物に組み換えて、目的とする形質を発現させる手法。この手法を使って育成された品種の生態系への影響が懸念されている。
遺伝子(DNA)検査法(いでんしけんさほう)
種子がその品種特有の形質を正しく備えているかを調べる、純度検査などで用いられる手法。外見判断を行う栽培検査での判断が難しい、遺伝上のわずかな違いも見極めることができる。
いもち病(いもちびょう)
イネいもち病菌の寄生による病害。普通、葉に褐色・紡錘形の病斑ができ、中心部から白化し、次第に茎や穂に広がる。低温多湿の年に多発しやすい。
忌地(いやち)
同じ場所で同じ種類を続けて栽培すると収量がおちる。この現象を忌地、または連作障害(れんさくしょうがい)という。忌地の原因は、土中の肥料など各種栄養分のバランスが崩れる、またその一部がひどく少なくなる、栽培した作物の根から分泌した特殊な有害成分の影響、あるいは土中の微生物の具合やセンチュウの増加、塩積(えんせき)、土の性質の変化など、さまざまである。
イングリッシュローズ
オールドローズとモダンローズを交配して作り出された、全く新しいバラ。
陰樹・陽樹(いんじゅ・ようじゅ)
陰樹は日陰や半日陰でよく育つ樹木のこと。アオキ、カクレミノ、カエデ、ツバキなど。陽樹は日なたでよく育つ樹木で、ケヤキ、ハナミズキ、サクラ、ウメ、マツ、サツキ、ツツジなど。